直噴ターボ"DIT"のエンジン性能(常識を疑え!)

 

ブリューナクです。

直噴ターボ"DIT"のエンジン性能(イントロ)の続きです。

高回転型と低回転型、2種類のエンジンについて考えます

 

第3章 相反する高回転型と低回転型


エンジン構造による高回転型、低回転型の違い


boxer_cont03_pict01.jpg

 

まずはボア×ストロークから

エンジンの特性、高回転型低回転型に関しては、大きい要素として、

ボア×ストロークと、吸気管の太さや長さ決まります。


 

エンジン特性の一覧表です。

高回転型 低回転型
ボア×ストローク (太い)×(短い) (細い)×(長い)
吸気管の太さ 太い 細い
吸気管の長さ 短い 長い

表から分かるように、

高回転型低回転型エンジンは、エンジン構造として「真逆」なのです。

まさに、題名通り「相反する高回転型と低回転型」ですよね。


 

これについて説明していきます。

まず、

ボアとは、シリンダーの内径

ストロークとは、ピストンの上下の可動域です。

これさえ分かれば、ボア×ストロークに関しては単純です。

ピストンの最高速はおおよそ20m/secとされています。

ピストンの移動距離を考えると、

ストローク(ピストンの可動域)が小さいと、同じ回転数でも、よりピストンはゆっくり移動します。

逆にストロークが長いと、同じ回転数でもピストンはより高速で移動するわけです。

 

 

例としてスバルの2つのを考えましょう。

EJ20 FA20"DIT"
排気量[L] 2.0 2.0

ボア[mm]×ストローク[mm]

92.0×75.0 86.0×86.0

 

ストロークはFA20"DIT"は86mm,EJ20は75mmです。

これらは、相対的に「高回転「低回転型」と言えます。

無論、世の中には完全なロングストロークエンジンも存在します。

なので、DITエンジンが絶対的に低回転型というわけではなく、

「EJ20と比較すれば相対的に低回転型である」ということには注意してください。

 

エンジン1回転ではピストンはストロークの2倍を移動します。

なので、172mm150mm

同じ6000rpmでは、17.2m/sec15m/secとなります。

(秒速では分かりにくいので時速にすると、61.92km/h54km/hの差)


なので短いストローク(ショートストローク)では、高回転でもピストンの速度は遅いです。

なので、高回転化が可能になります。


一方、長いストローク(ロングストローク)ピストンの速度制限から、

高回転化できません。

 

これらはどちらが優れるというわけではなく、そういう特性なのです。

 

 

 


第4章 トルクの発生と回転数


 

photo10.jpg

 

次に吸気管について考えます。

高回転型エンジンの場合

高回転型エンジンは、吸気管は太く短い。

吸入空気の量を考えます。

高速回転型は、1回転に要する時間が短い。

すなわち、吸気バルブの開閉時間が短いです

厳密に言えば、高速回転するから、1サイクル(=2回転)に要する時間も短いです。

なので吸気行程自体も短くなります。

したがって、実質的に吸気バルブの付近の空気しか吸えません

吸気バルブから遠い位置の空気が動き始めたころにはバルブは閉じていて、無意味になります。

より多くの空気を吸うには、

吸気バルブ付近の空気を多くする

太くて短い吸気管が適しているわけです


逆に高回転型エンジンが低速で回転している場合はどうでしょうか?

ショートストロークのため、ピストンの移動速度が遅いです。

なので、流入空気速度も遅くなります。

結果的に、吸気量が小さくなりがちで、低速トルクが細くなります


低回転型エンジンの場合

低回転型エンジンの場合は、吸気管は細くて長いです。

低回転型エンジンは、低回転でも、ロングストロークなので、ピストンの移動速度が速いです。

1回転でのピストンの移動距離が長いから。ボア×ストロークの話と同じです。

そして、ピストン移動によって引かれる吸入空気の流入速度も速くなります

 

また、低回転では、1回の吸気バルブの開いている時間も長いです

(ゆっくり回るからゆっくり吸気できるってことです。)

 

したがって、吸気バルブの近くの空気を高速で吸引すると、

それに引っ張られて吸気バルブから遠く離れた空気も移動する。

遠く離れた空気は、バルブが長く開いていることから、

エンジンに到達するまでに十分な時間がある。

よって、エンジンから遠く離れた空気まで吸気されることになります。

 

かっこよく言うと「吸気慣性」といいます。

なので、低速での吸気量が増大するため、低速トルクが太いのです。


低回転でパワーがあるため、燃費は良好


逆に、ピストン移動速度に制限があり高回転できないし、

高回転では細くて長い吸気管は吸気抵抗が大きいため、大きなトルクを得られません。

なので高速回転には不向きなエンジンといえます。

 

"DIT"はどちらに該当するか?

DITエンジンは、スクエア(86mm×86mm)で、

低回転型と高回転型の中間の特性を持っていると言えます。

あくまでも一般論単純に考えれば話です。

 

そう、DIT単純ではないです
 

後ろ改.jpg

まとめると、

高馬力 低速トルク 燃費
高回転型 得やすい 細い 悪い
低回転型 得にくい 太い 良い


次の知恵ノートへ・・・

の前に・・・


ちょっと考えてみて・・・

低回転型は低速トルクが強くて馬力は出ない。。。

高回転型は低速トルクは細くて馬力が出る。。。


DITは?

低速トルクが太い。(400Nm/2000-4800rpm)

高馬力が出る。しかも比較的低い回転数で。(300PS/5600rpm)


 

お???

題名通り「常識を疑え!」


ハチ北.jpg

 

 

とりあえず、ナイス!押してください。。。